Apple M1チップ搭載のMacで、ARMネイティブビルドのオフィス(Excel)を試してみた
AWSチームのすずきです。
2020年11月に発売された、Apple M1チップを搭載した 新しい Mac miniを利用して、 ARMネイティブビルドの Excel(Microsoft 365 アプリ)を試す機会がありましたので、紹介させて頂きます。
実行環境
- モデル: Mac mini (2020)
- チップ: Apple M1
- メモリ: 8GBユニファイドメモリ
- ストレージ: 256GB SSD
- 価格: 92,800円(税別)
Microsoft 365 設定
Office Insider プログラムに参加し、ベータチャネルを有効にすると ARMネイティブ版へのアップデートが可能になります。
AutoUpdate設定
「詳細設定」を開き、更新プログラムチャネルを「ベータチャネル」に設定します。
2020年12月10日時点のベータチャネル、Microsoft Excel は 「16.45.2012.0903」 への更新が可能でした。
アーキテクチャ確認
アクティビティモニタを利用して、アーキテクチャを確認しました。
更新前
更新前のアーキテクチャ表示は「Intel」、Rosetta 2 を利用した動作でした。
更新後
ベータチャネルにアップデート後のアーキテクチャ表示は 「Apple」、ARMネイティブ動作になりました。
比較
Excelの 「A列1行」のセルを約50万回ループで更新するVBS(マクロ)を用意。 新しい Mac Mini で Intel用とARMネイティブ版の実行時間を測定しました。
検証コード
Sub TimeCount() Dim i As Long Dim s As Single Application.Range("a1").Select s = Timer For i = 1 To 524288 ActiveCell.FormulaR1C1 = i Next i MsgBox (Timer - s) End Sub
Intel バイナリ
アーキテクチャー | バージョン | チャネル | 実行時間(秒) |
---|---|---|---|
Apple(ARM) | 16.45.20120702 | ベータ | 20.65869 |
Intel (x86) | 16.43.20110804 | 最新 | 39.0917 |
新しい Mac Mini の 実行時間、ARMネイティブ版 は Intel(Rosetta 2)版と比較して、約 1.9倍 高速でした。
MBP (2015)
CPU | 実行時間(秒) |
---|---|
Apple M1 (Apple) | 20.65869 |
Apple M1 (Intel) | 39.0917 |
Intel Core i5 (2.7GHz) | 94.26172 |
新しい Mac Mini のARMネイティブ版の実行時間、従来の Intel CPUを搭載した MBP(MacBook Pro 13inch Early 2015)との比較では、4.5倍 高速でした。
比較グラフ
- 実行時間が短いほど高速
まとめ
簡単な検証コードでの比較でしたが、Apple M1 チップを搭載した Mac 環境、 ARMネイティブ版の オフィスアプリを 高速に実行できる事が確認できました。
お手元に M1 チップを搭載した Mac と Office Insider を 利用可能な Microsoft 365 ライセンスがあり、 最新ビルドのリスクが許容できる場合には、ベータ版チャネルを利用して 新しい Mac の性能をお確かめ下さい。